魚蓮坊窯について

1966年松尾次郎が佐賀県鳥栖市に魚蓮坊窯を開く。

以来、飯椀・湯呑み・コーヒーカップ・酒器・鉢や皿など、日常使いの器を中心に制作。形(デザイン)と釉薬に独自の手法を開発し、魚蓮坊窯の器の世界観を作ってきました。次郎は魚と鳥をモチーフにした作品、絵付けを多く制作しました。そして、器の世界にとどまらず、陶彫や陶壁など大きな作品の制作・発表も行いました。

現在は、次郎の息子 松尾伊知郎がこれまでの魚蓮坊窯の作風を引き継ぎながらも、新しい器作りに取り組んでいます。また、伊知郎も次郎同様、陶器だけでなく土を使った彫刻作品も発表しています。伊知郎は、国内だけでなく海外でも継続的に作品の制作および発表の機会を作り、活動を行っています。

『魚蓮坊窯』の由来:

次郎が好きだった中国の古い詩(楽府古辞(漢時代の民謡))から名前が生まれました。

タイトル:『江南』

江南可採蓮
蓮葉何田田
魚戲蓮葉閒
魚戲蓮葉東
魚戲蓮葉西
魚戲蓮葉南
魚戲蓮葉北

魚が蓮の葉の池を西に東に南に北に動き回っている様子をうたった古い中国の詩。江南の田園風景を謳った詩であるとともに、魚(男子)と蓮(女子)とが戯れている様子を表した詩ともいわれています。
「魚」はGYO≒GOと読むことから「吾」(GO)=わたしを表し、「蓮」は「恋」「憐」(REN)と同音です。そういうことから、魚(わたし)が蓮(恋人)、愛しいひとのまわりで戯れている様子を謳っているとも解釈されているそうです。
この詩より、「魚」と「蓮」を取り、『魚蓮坊窯』と名付けました。魚蓮坊の「坊」は、部屋という意味から取っていると聞いています。

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